悪くはないけど・・・【映画】ザ・クロウ【レビュー】

3.0
映画レビュー

 ジェームズ・オバーのコミック「ザ・クロウ」を原作に、愛する人と共に惨殺され死の国からよみがえった青年の復讐劇を描くアクションスリラー。

 ざっくりした感想を言うと、悪くはないのですが、もの足りない部分が多いという印象の作品です。

あらすじ

 恵まれない環境に育ち非行を繰り返してきたエリックは、同じく暗い過去を持つシェリーと更正施設で出会い、激しい恋に落ちる。

 施設から脱走したエリックとシェリーは、誰も知らない場所で2人だけの時間を過ごすうちに、お互いの中に生きる意味を見いだしていく。

 しかし謎の組織が隠れ家を襲撃し、2人はともに惨殺されてしまう。

 やがてエリックの強い怨念に引き寄せられるように、死の国の使者であるカラスが彼の魂のもとを訪れ、「復讐のための力を手に入れて生き返る代わりに、目的を遂げた後は魂を永遠に捧げる」という取引を持ちかける。

 これを受け入れ復活を果たしたエリックは、組織を滅ぼすべく夜の闇へと飛び出していく。

粗い脚本

 大筋は悪いとは思いません。

 更生施設で出会い、現状を憂いて逃避行。

 その後、追手に見つかり恋人を殺され、復讐をする、この流れ自体はおかしくもありません。

 ただ、その間の展開が疑問に思うものが多い。

 結果を作るために、登場人物に変な行動をさせている感じが少し感じられます。

 序盤の1つの例を挙げると、二人で更生施設から逃げ出したのにも関わらず、逃げた先で割とのんびり過ごしている部分は、あまりにも危機感というか、自身の立場をわかっていなさすぎではないかと疑問を感じる描写です。

 特にヒロインの方は、もう一つやばい追手に追われてもいるのに危機感が薄いとしか思われない様子である。

 愛する者を奪った者たちへの復讐の流れに持っていくためにやっているのでしょうが、登場人物に対して、やっとる場合かと思わざるを得ない。

 もう少しやりようもあったのではないかと思えてしまう。

分かりづらい独自ルール

 正直いうと、1度観ただけだと作中の世界観や能力のルールが把握しづらい。

 観終わって、色々思い出してはみますが、どうしても腑に落ちない部分が出てきてしまう。

 特に、最後があのようになるのであれば、ここまでの経過は何だったのかと今だに疑問に思います。

 これに関しては、私の聞き漏らしがあったせいもあるかもしれませんが。

 2時間ほどの短編作品の中で、独自のルールのあるものを題材にすると、どうしても分かりやすくするのが、なかなか難しいところではあると思います。

 ただ、そこが分かりやすいかどうかで、かなり評価が分かれるというのも事実なので、やはりそこは個人的に残念な点でした。

ビジュアルは良い

 場面の雰囲気や、主人公のビジュアルはおしゃれな感じです。

 作品のコンセプトとなる雰囲気をいい感じに醸し出していたように思います。

 カメラワークもよく、視覚的な面では楽しめる部分が多くありました。

主人公

 主人公には魅力がありました。

 初めから、幼少期のトラウマを抱えるヤク中という人物ですが、これをビル・スカルスガルドがかなり上手く表現していました。

 筋肉質で細身な体に刺青を入れまくり、目はどこか泳いで虚空を見つめているという様は、上記の役どころのイメージ通りに思えます。

 また、力を覚醒させてからの服装もイメージにマッチしている。

 上裸に黒の長コート、目の周りに黒いメイクをして右手に小太刀、左手に銃という様相。

 狂ったダークヒーローというところのイメージによく合う。

 強いていうなら、合い過ぎていて少し既視感が否めないというところはありましたが。

 能力は再生能力だけ。

 キャラクターの性質上、エグい能力の一つでもありそうでしたが、割とシンプル。

 そのため、無双するということもあまり無く、やられる所も多かったりします。

 その辺は、直近までは一般人であったこともあるため、主人公のここまでの経過としては妥当な表現に思えます。

アクションはもっさり控えめ

 主人公の能力が上記の通りのため、爽快感という点は控えめ。

 戦いも取っ組み合いが半分ほどと、斬ったり撃ったり殴ったりというようなスタイリッシュ感は想像より少なく、むしろ泥臭い戦いの方が多い。

 また、力に目覚めた後も、力技で突っ込んでいき敵を倒すというもののため、やはりスタイリッシュとは言い難い。

 そういうものも見応えはあり、個人的には割と好きではあるのですが、当初のイメージではカッコよく敵を圧倒するイメージがあったため、その点においては、悪くいうと期待外れなようにも思えました。

総評

 脚本において粗い部分が多くあります。

 登場人物の行動なども理解しづらい部分があるため、共感しづらかったのが正直な所です。

 ただ、視覚的な表現は楽しめる部分が多い。

 また、主人公は、ビジュアルはカッコよくダークヒーロー的な背景も大筋はしっかりとしていたため、魅力ある人物に描かれていると感じます。

 尖った部分は多いですが、1映画作品として観ていてある程度は楽しめる作品であると思います。

評価

・評点 ・・・ 3 / 5

・脚本 ・・・ 2 / 5

・登場人物 ・・・ 3 / 5

・視覚効果 ・・・ 4 / 5

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