超自然的な身体の変異現象に見舞われた倦怠期のカップルが極限状況に陥っていく姿を、スリリングかつブラックユーモアたっぷりに描いたホラー映画。
ある所の湧き水を飲んだことから、お互いが磁石のように引き合うという現象に見舞われるカップルの話。
内容自体は簡素なもので、雑な部分が多いですが、設定はなかなか面白いものがありました。
あらすじ
長年連れ添ってきたミュージシャン志望のティムと小学校教師のミリーは、住み慣れた都会を離れて田舎の一軒家に移り住む。
しかし森で道に迷い、不気味な地下洞窟で一夜を過ごしたことをきっかけに、ふたりの穏やかな日常は暗転。
ティムは突然意識が混濁して身体が暴走する不可解な症状に悩まされるようになり、気持ちがすれ違いがちだったミリーとの関係も揺らいでしまう。
やがて、ミリーの身にも同じような症状が起こりはじめる。
見えない磁力に引き寄せられるかのように互いを求めあうその現象は、ふたりが育んできた愛と人生のすべてを侵蝕していく。
設定負けしている脚本
設定自体は面白い。
ある泉の水を飲んだことで、お互いに肉体的にも精神的にも引き合ってしまい、それに翻弄されつつ真実を探っていくという内容と設定自体は楽しめました。
さらに主人公カップルの二人は、夢を追い続ける中年男性と、それを養う女性の二人というもの。
見る人によって思うことはありそうな二人ですが、人物設定と起こる状況の組み合わせは良いように思います。
対して、内容はかなりシンプル、それに加え雑な部分が目立ちました。
最後はそれで良いのかと思えてしまう終わり方の上、結局何も解決していなければ、そのほかの顛末もよく分からないと言った具合。
特に二人の結末以外は雑な感じで終わってしまっている。
ある程度であれば、途中の描かれ方が簡素だったり、雑であってもまだ許容できますが、最後の着地ぐらいはせめてしっかりしてほしいものです。
他ではあまり見ないグロテスクさ
痴情のもつれがあるものなので、下のシーンが否応にもあるわけですが、それを絡めてグロシーンを展開するため、なかなかに斬新というか、下手なスプラッターより気持ち悪さが際立っているように感じます。
それはこの作品の設定ならではという感じではあるので、一つの特徴として悪くはないと思います。
ただ、気持ち悪いだとか、生理的に無理と感じる人は少なくなさそう。
即落ち2コマ芸
「何も起きないよ」と言っときながら、次の瞬間にはスコールに見舞われていたり、痛い目に遭う描写があったら、次の瞬間には一気にスンっ・・・となっていたりと、急な場面転換が多い。
そういう表現自体は、テンポを良くしたり、過激なシーンをマイルドにしたりすることもあるので、悪いというわけではありません。
ただ、多用されていると笑えてきてしまうのが正直なところ。
面白い分は良いのですが、内容がシリアスな分、作品の趣旨としてはあまり好ましくないような気はします。
総評
設定は面白いですが、それに対して脚本が作り込まれていないように感じます。
特に最後は主人公達の物語は収束していたものの、他は丸投げといった感じになっており、無理矢理丸く収めようとした感じになってしまっているのが残念なところ。
他は雑なところを除けば、割りかし良かったとは思いますが、内容が内容だけに好き嫌いは分かれそう。
気持ち悪いと感じるであろうシーンが多くあるので、観る方はその辺を了解の上で見た方が良いと思われます。
評価
・評点 ・・・ 3 / 5
・脚本 ・・・ 2.5 / 5
・人物・演技 ・・・ 3 / 5
・映像・表現 ・・・ 3 / 5

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